Topotal という会社を立てました

October 21, 2022

topotal logo

Topotal(トポタル)という会社を立てました。2020年に設立し、2021年から SRE を基軸としたサービスを提供しています。

https://topotal.com/

topotal.com というドメインの詳細を調べると、以下のような結果が出てきます。

➜ whois topotal.com | egrep '^Creation Date'
Creation Date: 2011-06-25T09:43:40Z

ドメイン作成日からわかる通り、起業したのは最近ですが、その原点は10年以上も前から存在していました。今回は、当初の起業のモチベーションにも触れながら Topotal が生まれてから法人化に至るまでの経緯を書いてみようと思います。

起業をしようと思った経緯

起業しようと思ったきっかけは、高校時代に経験した挫折でした。

高校3年の夏、突然肺気胸を発症してしまい、10年間続けた野球の最後の大会を欠場するという出来事がありました。想定外のよくわからないものによって突然人生が立ち行かなくなり、多くの期待を裏切るかたちになったこの出来事は、自分にとって大きな挫折経験になりました。

はじめの入院はショックで落ち込んでいる間に終わったのですが、その後も短いスパンで再発→入院を繰り返してしまい、その過程で落ち込み疲れ、吹っ切れ、最後の入院ではベッドの上で前向きに将来のことを考えるようになっていました。

野球人生がうまくいかなかった分、これからはじまる社会人生活は精一杯やろうと思い、好きなことをベースに自分がやりたいことを明確にしました。

  • まとめ役が好き → リーダーになる
  • 団体行動が好き → 組織づくりをする
  • IT が好き → IT 業界ではたらく

これらを組み合わせてIT業界でリーダーとして組織づくりをするという目標を定めました。

また、ちょうど同じタイミングで社会人3年目の先輩が鬱になりました。原因は、新しい上司によるハラスメントでした。先輩の就職先は企業イメージのよい大企業で、もともと楽しそうに働いていたので驚きました。

当時の自分には、ストレッサーとなった上司は肺気胸のような「想定外のよくわからないもの」にみえてしまいました。配属ガチャ、上司ガチャをすることを避けるためにも気心の知れた仲間と一緒に自分たちの会社をつくりたいと強く思うようになり、起業をすることを決意しました。

意思決定の様子を改めて振り返ってみると、視野が狭く短絡的な結論だなと思う一方で、再発する病気に苦しみながらも必死にひねり出した人生のコンパスであり、その後10年以上も自分を駆り立てるドライバーにもなってくれたので、これはこれでよかったのかなと思っています。

仲間探しとIT業界との出会い

大学に入学して真っ先に取り組んだのが仲間探しでした。入学直後から手当り次第声をかけたことで多くの友人を失いましたが、唯一 @rrreeeyyy が前向きな回答をしてくれました。

その後、起業について学内の教授に相談をしたところ、いきなり机にIT企業の代表取締役の名刺が並べられ、どの企業に行きたいかを問われました。突然の出来事に思わず「わかりません」と答えたところ、教授は並べられた名刺の中から1つ選び、その会社でアルバイトとして経験を積むように自分たちに指南しました。

このとき教授が選んだのが、その後11年ほどお世話になるハートビーツというITインフラの技術支援を行う会社でした。当時の自分は、ITスキルが皆無なのはもちろん、ろくにタイピングもできないような状態でしたが、なんとかアルバイト採用していただき、サーバの運用・監視業務を通して様々な知識・経験を積み上げていきました。

Web サービス Topotal の立ち上げ

大学2年時から Web サービス開発に着手しました。インターネットをするときにはじめに開くポータルサイトを作りたいと思い、好きなアプリをコルクボードの上に自由に並べることのできるサービスを作りました。サービス名は、@rrreeeyyy の提案によって Top Portal という連想ワードを組み合わせた “Topotal” に決まりました。

開発開始から数ヶ月間は Web デザインの知識がほぼ皆無で困っていましたが、ジョインした @sawa_zen が担当になってからは悩むことがなくなりました。しかし、メンバーが増えてもなお、開発力や事業構築力が足りないことは明らかでした。結局、在学中に事業を立ち上げることができませんでした。

大学卒業後、Topotal というサービスはクローズしましたが、チームとして活動を継続することにしました。

修行期

事業を立ち上げる実力がないことを痛感したため、社会人になってからもスキルアップを励みました。あるメンバーはビジネスを学びに経営大学院へ行き、あるメンバーは国内有数のテックカンパニーで技術力を高めながら着実に力をつけていきました。

その過程で輪読会やサービス開発をすることはありましたが、事業を立ち上げることはありませんでした。こうして起業ができないまま、多くの時間が流れていきました。

株式会社 Topotal の立ち上げ

大学卒業から6年経ったある日、「会社立てないとまずい」と深夜に急に目覚めた日があり、その日が転機でした。これもまた、想定外のよくわからないものでした。考えれば考えるほど、起業をしない理由が見つからなくなっていきました。事業運営やマネジメントを経験した結果、当初恐れていた「起業をしたはいいものの、取り付く島もない状況になって倒産してしまう」という不安もなくなっていました。

そこからすぐに Topotal メンバーに起業をすることを伝え、起業に至りました。社名はもちろん Topotal になりました。自分たちを表現する言葉は他に思いつかなかったのですぐに決まりました。

また、会社の設立の意思決定はしたもものの、ビジネスアイディアはゼロでした。経営の知識・経験を積んでもなお、新たにビジネスを立ち上げることに対する懸念は数多くありました。このような悩みを抱えていたときにジョインしてくれたのが @kenta_hi です。セールスやマーケティングなどを幅広く経験しているメンバーがジョインしたことで、Topotal のチーム力はさらに高まりました。

サービスの立ち上げ

着想したビジネスアイデアは、BtoC サービスなども含め数十個以上ありました。数ある事業の中から絞り込む上では、ユーザペインの理解度自分たちがやる理由の2点を重要視しました。

これまでの経験から、ユーザーペインの理解が最も深かったのはシステム運用に関する事業領域でした。また、この領域に対してビジネス的な見識があり、なおかつ、ソフトウェアエンジニアリングによって価値を生み出すことができるメンバーが創業初期から揃っている点は Topotal の強みであり、自分たちがやる理由としても十分であると考え、 SRE を軸にシステム運用の領域でビジネスを展開することに決めました。

事業領域が定まったあとは、SRE の登場によってパラダイムシフトが加速するシステム運用の領域に対してどのような価値が提供できるかを考えてサービスを構築していきました。

検討の結果、直接的に SRE の実践を支援する SRE as a Serviceより広範囲にベストプラクティスを広める SaaS for SRE の2つのビジネスを展開することに決めました。現在開発中の Waroom は、SaaS for SRE の第一弾という位置づけです。

また、SRE を組織全体で実践するためにはより多くの人に SRE の価値を知ってもらう必要があります。この点にもなにか後押しできないかと考え、これから SRE を学びたい人向けのコンテンツとして もう一度読むSRE というポッドキャストもはじめました。他にもコミュニティ活動としてカンファレンス等への協賛や登壇発表も継続的に行っています。

現在の取り組みを図にするとこのようなかたちになります。今後もビジネスやコミュニティ活動を通して様々な貢献をしていきたいと思っています。

contributions to sre

まとめ

Topotal を起業するまでの長い道のりをざっくりまとめてみました。

経緯を改めて振り返ると、想定外のよくわからないものによって挫折した一方で、会社設立の一歩を踏み出すきっかけにもなっていておもしろいなと思いました。今まではよくわからないものを回避しようと試みてばかりでしたが、そもそも回避できないことも多いので、うまく対処する方法を探すとよいのではないかと考えています。

@rrreeeyyy に「起業しよう」と声をかけた日から数えると丸11年かかりましたが、その過程で、@sawa_zen@kenta_hi という強力なメンバーがジョインした上での門出となり、申し分ないスタートが切れたと思っています。

起業をした今もやりたいことはまだまだあるので、これまで通り急がず焦らずやるべきことをコツコツ積み上げていこうと思います。


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Written by Narimichi Takamura (@nari_ex) who works at Topotal as CEO. He love engineering and fighting game.